ドラムは簡単な楽器です

高輪プリンスホテルで演奏した時のドラムセット

ライブを観て頂いたお客さんから「ドラムって難しそうですね」と言われる事があります。そういう時は「いやぁ、簡単ですよ。是非やってみてください。」と答えています。謙遜してるように聞こえるかもしれませんが、本気でそう思っています。勧誘してるように聞こえるかもしれませんが、その通りです。是非やってみてください。

 レベル上げは大変

ここで当たり前な事を言いますが、突き詰めていけばどんな楽器も難しいです。ドラムもピアノもギターもサックスも、レベル99までの道のりの険しさはそんなに変わらないと思います。最近のゲームは、レベル99といっても大した事ないかもしれません。レベルの概念が無いパターンもあるでしょう。ですが、四半世紀前にドラクエ・FFで遊んでいた世代が言う例えなので、気にしないでください。極めるのはどの楽器も大変ですよ、という事です。

では、何でドラムを簡単だと言ったのか。やっぱり勧誘する為に嘘をついたのか。誇大広告だ。フィッシングサイトだ。通報しました。という方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと待ってください。勧誘は事実ですが、簡単だと言うのも事実です。
まず一つは、叩けば誰でも音が出せます。

1歳でも音が出せる

楽器なんだから音が出るなんて当たり前じゃない?と思うかもしれませんが、音を出すまでが大変な楽器もいっぱいあります。例を挙げたいところですが、ネガティブキャンペーンになるので控えます。決して、思いつかなかったわけではありません。

ドラムは2本の棒さえ持てたら、どんな方でも音が出せます。実際うちの子供は、1歳の時にスティックを持ってスネア(小太鼓)を叩いてました。まだ喋ることがままならなくとも、音を出す事が出来る楽器というのは、なかなか凄い事だと思います。「音を出す」という事と「演奏する」という事は、別次元の話ではありますが、スタートラインにすぐ立てるという意味では、やはり簡単な楽器だと思います。

そういう意味ではピアノもそうじゃない?と思うかもしれません。確かにその通りですが、ピアノよりもドラムの方が簡単だと思います。なぜなら、ピアノを弾くには両手合わせて10本の指を駆使する必要があります。対してドラムは、両手両足の4本で済みます。本当はまあ、指も使いますが、ピアノほどではありません。そういえば、ピアノは足でペダルも操作するので11本です。この本数の差をみても、ピアノよりもドラムは簡単だと言えます。

そんな比較の仕方はおかしいんじゃないか。数字で印象操作しようとしている。ミスリードだ。優良誤認だ。通報しました。という方もいらっしゃるかもしれません。確かに、乱暴な比較であることは否めないので、別の理由も考えました。それは、一つのビートを覚えたら一曲演奏する事が出来るという点です。

8ビートは万能

8ビートと呼ばれるリズムパターンがあります。意味としては、8分音符を基調としたリズムという事なので、特定のパターンを指しているわけではないのですが、代表的なものだとこんな感じです。

8ビートのドラム譜

譜面見せられても分からないよ、という方に説明しますと、初めての人でも30分〜1時間くらいあれば叩けるようになる、というくらいシンプルなリズムパターンです。そんな事言われても分からないよ、という方はこちらの曲をお聞きください。マイケルジャクソンのビリージーンという曲です。

スマホからは表示されていない可能性がありますので、その場合はPCやyoutubeアプリからご覧ください。こういうの多いな。

こちらの曲の冒頭で鳴っているビートがそれです。そして最初から最後まで、一貫してこのビートが流れ続けます。つまり、どんな人でも30分〜1時間くらいあれば、1曲丸々叩けるようになるという事です。これは、ピアノや他のメロディ楽器にはない気安さだと思います。1時間あれば1曲演奏できるようになるなんて、敷居の低い楽器だと思いませんか?

もちろん、この音源と同じクオリティで叩けるか、という事であれば話は別です。最初の方にも書きましたが、このビートを突き詰めるならば、30分どころか30年でも足りないかもしれません。シンプルだからこそ奥が深いというところがドラムの面白いところでもあります。どうです?ややこしい事言うでしょう。

ややこしい事言って混乱させようとしているんじゃないか。その隙に入会させようとしているんじゃないか。マルチ商法だ。通報しました。という方がいらっしゃるかもしれません。すぐ通報しないでください。
もし、30年で足りなければ、40年叩けば良いと思います。いくつになっても叩けるという点も、ドラムが簡単である理由の一つです。

100歳でも叩ける

ドラムは子供でも叩けますが、歳を取っても叩けます。僕の生徒の中には80歳の方もおられますが、ドラムを難なく演奏されます。もっと上を見れば、ロイヘインズ(Roy Haynes)というジャズドラマー、もといレジェンドがいらっしゃいます。その方は1925年生まれ。もうすぐ100歳です。今現在の演奏状況は分からないのですが、少なくとも2020年に95歳のバースデイライブをブルーノートで行なっています。文字通り生きる伝説です。

こちらは2019年の94歳のバースデイライブの模様

いくつになっても叩けるという事はつまり、筋力をそこまで必要としないという事でもあります。ドラムというとハードなイメージを持つかもしれませんが、実際にはそこまで身体を酷使する楽器ではありません。まあ、メタルやハードコアなどのドラムはアスリート的な要素もあるので、一概には言えませんが。ジャンルにこだわらなければ、長く続ける事ができます。

とりとめもなく終わる

いかがでしょうか?ドラムが簡単な楽器であるという意味が伝わったでしょうか。他にも、譜面を読めなくても何とかなる、コードや理論を覚えなくてもいい、曲のキーが変わっても大丈夫など、色々ありますが割愛します。とにかく、気軽に始めて、気軽に辞めて、気軽に再開するといいと思います。いくつになっても叩けますから。

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